第3話 黒猫

 

しょっぱなから渡がかっこいい第3話です。

もうすでに公生はかをりに心を惹かれて、でもかをりは渡が好きという言葉を

信じていて、かをりと渡はお似合いの2人だから自分の気持ちは

ひっこめようとしていることが読み取れると思います。

 

そんな公生は1人放課後にこんなことを思います。

 

 

「光るなら」の一節、「茜色の空 仰ぐ君に あの日 恋に落ちた」は

第3話からのイメージでしょうね。

またいずれ「光るなら」だけではなくて、テーマソングと『四月は君の嘘』の

関わりも考えましょうか。

 

「母さんが僕に残したもの」は後で分かることですが、

「楽譜を忠実に再現する」ことです。

第3話時点の公生のその演奏以外ありえないわけです。

ですので、正反対なかをりの自由奔放な演奏を聴くと信条が揺らぐわけです。

「散っていく」とは母親に教わった信条が揺らいでいくことへの不安感を

表した表現なのでしょう。

 

一人帰る公生に「なぜか」かをりが現れます。

ワッフルに付き合わせる役目を代役として公生に押し付けます。

お店で女の子に教えるという名目で公生にピアノを弾かせます。

公生は最初こそ周囲の人を引き込む演奏をしますが、途中で唐突に演奏をやめます。

 

お店からの帰り。ここで、サブタイトルになっている黒猫が登場します。

黒猫は不吉の象徴です。公生にとっての不吉は自分が抱えるトラウマ。

公生はかをりの質問に答える形で自らのトラウマを話し始めます。

「演奏していると自分のピアノの音が聴こえなくなる」というトラウマを。

 

そのトラウマを聞いたかをりは公生に活を入れます。

 

この台詞を読んだ時のかをりの生い立ちは全然気づかなかったのですけど、

いまや知ってしまったからにはもっと力強い台詞に感じます。

 

そこでかをりはあることを「思いつきます」。

それはコンクール2次予選の伴奏役に公生を任命することです。

 

今から考えると公生がどんな状況でもあっても自分の夢を

叶えたかったんでしょうね。

それが生きていくモチベーションになっていただろうし。

 

ちなみに第3話はリフレインだけで2例あります。

ひとつは「こういう気持ちをなんて言ったかな」です。2回目は答えつきです。

 

 ふたつめは「君は 春の中にいる」ですね。

このように同じ言葉を繰り返すことで物語にリズムが生じます。

その結果、結びが余韻で包まれるんですよね。

ちなみに、アニメ第3話のサブタイトルは「春の中」でした。

 

『四月は君の嘘』実写映画化に関する中の人の見解

先週は更新できなくてすいません。

演奏会に聴きに行っていたら更新する時間がなくて。

時間は自分で作らなきゃいけないんですけど、難しいですね。

 

さて、以前更新してから今日までの間にビッグニュースが

舞い込んできましたね。

 

 

マンガのニュースサイト「コミックナタリー」さんでも

記事が書かれています。

 

 

中の人的には歓迎です。

『四月は君の嘘』は実写化しやすい題材ですし、なんら不思議ではありません。

中の人はアニメより先に実写化するのではないかと思ってましたから。

 

やはり映画やドラマでしか作品に触れない人も一定数いるんですよね。

今回の実写映画化が層を開拓するのだと考えると悪い話ではありません。

マンガにしろアニメにしろ『四月は君の嘘』に触れたことがなかった人が

映画をきっかけにして『四月は君の嘘』を気に入ってもらえると思うと

ものすごくうれしいですね。

スポーツ新聞には君嘘人物関係図も掲載されていたようなので

これからいろんな層に受け入れられていくんだと思います。

 

うれしいことがもう1点。

役者の方が物語に影響されているという点ですね。

かをり役の広瀬すずさんは「綺麗な世界で自分自身の悩みと戦っている」

公生役の山崎賢人さんは「日常がこんなにカラフルなんだと教えてくれた」

とおっしゃっています。

 

私達が『四月は君の嘘』を読んで思ったことそのままじゃないですか。

 

お2人とも『四月は君の嘘』の世界観に惹かれていますから、

そこまで心配はいらないんじゃないかなと思います。

 

ただ、お2人とも4月から演奏の練習を始められたということなので、

演奏のクォリティはどうしてもアニメ(こちらはプロの演奏家が演奏)と

比べてしまいますけど、そもそもアニメと比べること自体が筋違いですしね。

原作はマンガであって、アニメをもとに実写化するのではないですから。

(ついでに言うとアニメの監督であるイシグロ監督も実写映画化のツイートを

 RTしていらっしゃいます。ある程度は賛同されているのではないでしょうか)

 

というわけで実写映画化自体は中の人は歓迎です。

ただそれは、物語の改変・欠落がないということが前提ですが。

 

『四月は君の嘘』は周囲の人から影響を受け、周囲の人に影響を与えていく

物語です。

その意味では、渡や椿の敗戦も、武士や絵見とのコンクールも、紘子さんとの夏祭りも、プールも、早希さんを思い出したガラコンも、凪とのくる学祭も、東日本コンクール予選も欠かせません。

三池くんや斉藤先輩だって出してほしいくらいです。

それだけ人間関係が色濃い物語なのです。

 

ただ、その色濃さを出すにはどうしても2時間には収まらないでしょう。

(ドラマであったなら、その点は心配しませんでした)

 

中学生という設定を高校生に変えたのは大目に見ましょう。

(変える必要性があったのかはわかりませんが)

願わくば、大きな設定変更やカットがありませんように。

(この点は劇場アニメ化であったとしても同じことでした)

 

でもその点もあまり心配をしていません。

過去に講談社は連続ドラマの話を白紙に戻したこともありますから。

 

 

コンクール予選でショパンをほかの曲にしようとしたイシグロ監督を

編集部が怒ったという話もありますからちゃんと新川先生を守ってくれるでしょう。

 

いろいろ書きましたが、少しは実写映画化を信じてもいいのではないでしょうか。

「おもしろかったよー」という人には「マンガも面白いよー」と言えますし、

「おもしろくなかったよー」という人には「マンガは面白いよー」と言えますし。

 

好きな媒体で作品を愛して、違う媒体でも楽しめたら素敵だと思います。

(違う媒体でも楽しまないといけない、というわけではありません)

第2話 ヴァイオリニストの恋

かをりが公生の前で初めて演奏する回ですね。

 

そういえば、演奏者たる公生とかをりは「ヴァイオリン」と呼び、

演奏者でない渡と椿は「バイオリン」と呼んでいる、という話を思い出しました。

原作だと台詞が目で見えますから、そんなふうな言葉の使い分けも

実は意味があったんだと思わせますね。

 

それはおいといて。

公生は久しぶりにホールに踏み入れて、「乾いた冷房 ほこりの匂い」を

感じ取ります。

早希さんが亡くなってから本選に進んだコンクール以来なので

およそ2年半ぶりでしょうか。

公生はかをりと引き合わせた椿に少し愚痴ります。

 

椿は椿でピアノに未練を抱えている公生をなんとかしたいと思っていたし、

公生にも輝いてほしいと思ってたんですねー。

これは恋心とは違い、どちらかというと

「ダメダメな弟を世話するお姉さんのおせっかい」ですけれど。

 

そして始まるかをりの演奏。

かをりの演奏と言えばこれですね。

 

これは悪魔召喚の呪文みたいですね。

唱えてからのかをりはまるで何かに取りつかれたみたいに別人のよう。

座席についてから寝ていた渡も起きます。

かをりの演奏は楽譜をそのまま忠実に再現するのではなくて、

自分がいいと思ったように強弱やテンポを変える演奏でした。

早希さんにピアノを教わり始めてから、

「楽譜をそのまま忠実に再現する」ヒューマンメトロノームだった

公生にとって大きな衝撃だったと思います。

 

結局のところ公生には自分の演奏を見せたかったんだろうと思います。

演奏する場所が楽譜を忠実に再現することが求められるコンクールだったとしても。

 

演奏が終わるとかをりは女の子たちからお花のサプライズが。

最終回に2人の女の子がヴァイオリンを弾いているコマがあるんですが、

おそらくかをりにお花をプレゼントした女の子たちだと思います。

 

そして一目散に向かっていくのは公生ではなく、渡。

公生は渡とかをりのツーショットが映画のワンシーンのようで、

自分は友人Aだと言い聞かせてます。

まるで友人Aは映画にふさわしくないとでもいうように。

 

それでもかをりは公生に感想を求めます。震えながら。

その震えに気付いた公生の回答がこちら。

 

こんなこと言われたら嬉しいですよねぇ。

 

この話は審査員の判定ではなく、聴衆推薦でかをりが二次予選に

進んだことで締めくくっています。

 

ちなみにアニメのサブタイトルが「友人A」

かをりが初めて演奏することに主眼を置くよりも

その演奏を聴いて圧倒される友人Aに重きを置くほうがわかりやすいですからね。

妥当でしょう。

 

次回は「第3話 黒猫」です。

第1話 モノトーン

モノトーン【monotone】

  1. [名・形動]
  1. 単調であること。また、そのさま。一本調子。「―なリズムの音楽」
  1. 単一色の濃淡・明暗で表現すること。 出典:デジタル大辞典

 

作中では譜面や鍵盤の色、そして母親を失った公生が感じる

世界を表してますね。

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公生はこの時点ではまだ輝いてませんから、

世界が単調で白黒に見えています。

 

 

そんな彼の世界を揺るがす出来事がかをりとの出会い。

 

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椿が言った台詞が挿入されることで、

よりカラフルさが強調されてますよね、このシーン。

今まさに、公生の世界が色づき始めるのです。

彼自身も色づいたことを実感したことでしょう。

 

かをりが公生を見た瞬間に涙を流していたことは

多くの人が言及しているのでここでは不要でしょう。

 

そして最後の公生の台詞。

 

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公生が今まで自分で何も選択しなかったことがうかがえますね。

ピアノを弾いていたのは早希さんのためだし。

それ以降は惰性で生きているし。

でも自分で何も決めてこなかった公生が

自分の意志で未来を選択する。

そんな力強さをこの台詞から感じます。

 

私事ですが、平日に更新するのは厳しいので

土日に更新させてください。

次は第2話についてです。それでは。

 

であい

 

唐突ですが、みなさんはどのように『四月は君の嘘』に出会ったのでしょう?

 

月マガを購読していて第一話から応援しているという人もいるでしょう。

あるいは2012年マンガ大賞にノミネートされたときから知っている人もいるかもしれません。

(その人たちは先見の明がありすぎです)

 

やはりアニメ化されて出会った人が多いのでしょうか。

おもしろそうなアニメを見るために毎クールチェックして出会った人、

ノイタミナは必ず見ていて出会った人、

Goose Houseやwacci、コアラモード.や7!!が好きで出会った人、

最終回の評判を聞いて出会った人。

いろんな人がいて、いいと思います。

きっかけなんて、そんなもんです。

 

中の人が『四月は君の嘘』と出会ったのは、

忘れもしません、2013年7月22日です。

某コミックレーベルからでる某作品を買いに

近所の書店に行きました。

そしてたまたま試し読みを読みました。

完全に心をつかまれましたね。

物語の力を感じました。

 

それから4巻までそろえて、5巻冒頭の渡の台詞

「スーパースターに挫折はつきものさ 逆境でこそそいつが本物かどうか わかる だってよ 星は夜輝くんだぜ」

を見て絶対にそろえようと思いました。

 

9巻の紘子さんの台詞

「悩んで わめいて 苦しんで もがき続けた数か月 何もかも報われる瞬間があるの」

を見て大事にしようと思いました。

 

『四月は君の嘘』は美しい恋物語でもあるし音楽は素晴らしいと思えるんですけど、

「人が前に進む話」でもあるし、「人が再び舞台の上で輝く物語」でもあるんですよね。

その意味でも『四月は君の嘘』の台詞はものすごく説得力がありますし、みなさんの背中をやさしく押してくれると思います。

 

中の人がいかに『四月は君の嘘』と出会ったか、どう思っているのか話しておかないとこれから進めないなと思ったので、今週はこのテーマにしました。

 

来週からは1話ずつ感想と考察じみたことを書いていこう思います。

 

botのこれから

これからのbotについてお知らせします。

 

・基本的には台詞を追加することはありません。

 →リクエストをいただいたときには追加をします。

  リクエストはDMで受け付けます。

  リプライでもいいのですが、流れて読めなくなるかもしれないので。

  DMなら確実に読めるので基本的にはDMでお願いします。

 

・台詞を一巡したときにアイコンを変更します。

 →以前、1・2週間で変更するとツイートしましたけど、取り消します。

  こっちのほうがより本人が話してる感じになるかなと思って。

  アイコンは宣言通り、公式がフリーで配布していた公生・かをり・椿

  渡・武士・絵見の6人です。

  今は渡なので次は武士か絵見で。

  どーして凪や紘子さんのアイコンがないんだろう・・・

 

このブログはまだtwitterと連携していないんですけど、そのうちブログ更新通知がtwitterに流れるように設定するかもしれません。

それはそれで味気ないかなぁ。

ブログを開設しました。

こんばんは。四月は君の嘘botの中の人です。

 

botが誕生して1周年なので、何か記念にしたいなと思って

ブログを開設してみました。

ちょうど今週の日曜日でbotのほうは完成したんですけど、

それでもうなにもしないというのは寂しいものがありまして。

 

それならば、定期的にブログで更新していくのも悪くないなと

思います。

『四月は君の嘘』を語るにはTwitterでは短すぎるのでね。

このブログでは、自己紹介でも書きましたが、botの制作後記やこれから、

対比・引用・リフレインなど『四月は君の嘘』の解説・考察・思い出話を

書いていこうと思います。

時にはツイートのリンクを埋め込みながら、文章をつづれるのもブログの

強みですね。

 

更新ペースは週1でできたらいいな。