第2話 ヴァイオリニストの恋
かをりが公生の前で初めて演奏する回ですね。
そういえば、演奏者たる公生とかをりは「ヴァイオリン」と呼び、
演奏者でない渡と椿は「バイオリン」と呼んでいる、という話を思い出しました。
原作だと台詞が目で見えますから、そんなふうな言葉の使い分けも
実は意味があったんだと思わせますね。
それはおいといて。
公生は久しぶりにホールに踏み入れて、「乾いた冷房 ほこりの匂い」を
感じ取ります。
早希さんが亡くなってから本選に進んだコンクール以来なので
およそ2年半ぶりでしょうか。
公生はかをりと引き合わせた椿に少し愚痴ります。
椿は椿でピアノに未練を抱えている公生をなんとかしたいと思っていたし、
公生にも輝いてほしいと思ってたんですねー。
これは恋心とは違い、どちらかというと
「ダメダメな弟を世話するお姉さんのおせっかい」ですけれど。
そして始まるかをりの演奏。
かをりの演奏と言えばこれですね。
「エロイムエッサイム エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」 ──宮園かをり
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 7月 27
これは悪魔召喚の呪文みたいですね。
唱えてからのかをりはまるで何かに取りつかれたみたいに別人のよう。
座席についてから寝ていた渡も起きます。
かをりの演奏は楽譜をそのまま忠実に再現するのではなくて、
自分がいいと思ったように強弱やテンポを変える演奏でした。
早希さんにピアノを教わり始めてから、
「楽譜をそのまま忠実に再現する」ヒューマンメトロノームだった
公生にとって大きな衝撃だったと思います。
結局のところ公生には自分の演奏を見せたかったんだろうと思います。
演奏する場所が楽譜を忠実に再現することが求められるコンクールだったとしても。
演奏が終わるとかをりは女の子たちからお花のサプライズが。
最終回に2人の女の子がヴァイオリンを弾いているコマがあるんですが、
おそらくかをりにお花をプレゼントした女の子たちだと思います。
そして一目散に向かっていくのは公生ではなく、渡。
公生は渡とかをりのツーショットが映画のワンシーンのようで、
自分は友人Aだと言い聞かせてます。
まるで友人Aは映画にふさわしくないとでもいうように。
それでもかをりは公生に感想を求めます。震えながら。
その震えに気付いた公生の回答がこちら。
「・・・・ 一次予選で 花をもらった人を初めて見た しかも知らないコたちだろ? 花を用意してるわけないし あのコ達にとって── 君の演奏を聴いて あわてて花を買って渡した今日のことは 忘れられないよ たぶん そういう演奏だった」 ──有馬公生
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 7月 27
こんなこと言われたら嬉しいですよねぇ。
この話は審査員の判定ではなく、聴衆推薦でかをりが二次予選に
進んだことで締めくくっています。
ちなみにアニメのサブタイトルが「友人A」
かをりが初めて演奏することに主眼を置くよりも
その演奏を聴いて圧倒される友人Aに重きを置くほうがわかりやすいですからね。
妥当でしょう。
次回は「第3話 黒猫」です。