第3話 黒猫
「心魅かれるコに好きな人がいるのは当然 恋をしてるからそのコは輝くんだもん だから人は── 理不尽な恋に落ちるんだ」 ──渡亮太
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 2
「でも 僕には無理だ きっと」「無理かどうかは 女の子が教えてくれるさ」 ──有馬公生&渡亮太
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 2
しょっぱなから渡がかっこいい第3話です。
もうすでに公生はかをりに心を惹かれて、でもかをりは渡が好きという言葉を
信じていて、かをりと渡はお似合いの2人だから自分の気持ちは
ひっこめようとしていることが読み取れると思います。
そんな公生は1人放課後にこんなことを思います。
気がつけば 茜色の雲のスクリーンに・・・・ 瞼の裏の暗幕にリフレインする 何度も 何度も 何度も その度に僕の心は── 母さんが僕に残したものが 散っていくようで── ──有馬公生
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 2
「光るなら」の一節、「茜色の空 仰ぐ君に あの日 恋に落ちた」は
第3話からのイメージでしょうね。
またいずれ「光るなら」だけではなくて、テーマソングと『四月は君の嘘』の
関わりも考えましょうか。
「母さんが僕に残したもの」は後で分かることですが、
「楽譜を忠実に再現する」ことです。
第3話時点の公生のその演奏以外ありえないわけです。
ですので、正反対なかをりの自由奔放な演奏を聴くと信条が揺らぐわけです。
「散っていく」とは母親に教わった信条が揺らいでいくことへの不安感を
表した表現なのでしょう。
一人帰る公生に「なぜか」かをりが現れます。
ワッフルに付き合わせる役目を代役として公生に押し付けます。
お店で女の子に教えるという名目で公生にピアノを弾かせます。
公生は最初こそ周囲の人を引き込む演奏をしますが、途中で唐突に演奏をやめます。
お店からの帰り。ここで、サブタイトルになっている黒猫が登場します。
黒猫は不吉の象徴です。公生にとっての不吉は自分が抱えるトラウマ。
公生はかをりの質問に答える形で自らのトラウマを話し始めます。
「演奏していると自分のピアノの音が聴こえなくなる」というトラウマを。
そのトラウマを聞いたかをりは公生に活を入れます。
「悲しくてもボロボロでも どん底にいても 弾かなきゃダメなの そうやって 私達は 生きていく人種なの」 ──宮園かをり
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 2
この台詞を読んだ時のかをりの生い立ちは全然気づかなかったのですけど、
いまや知ってしまったからにはもっと力強い台詞に感じます。
そこでかをりはあることを「思いつきます」。
それはコンクール2次予選の伴奏役に公生を任命することです。
今から考えると公生がどんな状況でもあっても自分の夢を
叶えたかったんでしょうね。
それが生きていくモチベーションになっていただろうし。
ちなみに第3話はリフレインだけで2例あります。
もう一度聴きたいけど 聴きたくない もう一度 会いたいけど 会いたくない こういう感情を 何て呼んだかな こういう気持ちを 何て言ったかな ──有馬公生
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 2
こういう気持ちを何て言ったかな これは たぶん こういう気持ちは 憧れっていうんだ きっと ──有馬公生
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 3
ひとつは「こういう気持ちをなんて言ったかな」です。2回目は答えつきです。
君は 春の中にいる ──有馬公生
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 2
君は 春の中にいる かけがえのない 春の中にいる ──有馬公生
— 四月は君の嘘bot (@kimiusobot) 2015, 9月 3
ふたつめは「君は 春の中にいる」ですね。
このように同じ言葉を繰り返すことで物語にリズムが生じます。
その結果、結びが余韻で包まれるんですよね。
ちなみに、アニメ第3話のサブタイトルは「春の中」でした。